リサイクルに出したプラスチックは、本当に新しいプラスチックになるのか

大半はなりません。回収されたプラスチックはまず選別され、生まれ変わるのは買い手がつくもの、主に透明なペットボトルや牛乳容器だけです。2019年に世界でリサイクルされたのは、プラスチックごみ全体の約9%でした。

科学と健康 · 2026-10-03

資源ごみの回収は「選別」の入口であって、リサイクルそのものではない

ヨーグルトの容器を資源ごみに出したあとどうなるかと聞かれたら、たいていの人は「リサイクルされる」と答えるでしょう。けれども多くの場合、実際はそうなりません。回収は最初の一歩にすぎません。収集車が集めたものは選別施設に運ばれ、プラスチックは種類ごとに分けられて、大きな塊に圧縮されます。その塊が新しい素材になるのは、再生業者が使えて、しかも買いたいと思ったときだけです。選別や処理の途中ではじかれたプラスチックは、燃やされるか、埋められるか、別の形で捨てられます。海外に送られるものもありますが、行き先が変わるだけで、リサイクルされた証明にはなりません。

だから「回収された量」と「リサイクルされた量」は別の数字になります。OECD(経済協力開発機構)は、主に先進国が加盟し、経済政策を研究する国際機関です。そのOECDが2019年の世界のプラスチックごみを調べたところ、総量353百万トンのうち、リサイクル向けに回収されたのは5500万トン、つまり15%でした。そのうち2200万トンは、使えないとして処理の途中で再び捨てられました。最終的にリサイクルされたのは約3300万トン、世界のプラスチックごみの9%です。約19%は焼却され、半分近くは埋め立てられ、22%は管理されていない投棄場に捨てられるか、野焼きされるか、環境中に流れ出ました。

この9%は、世界のプラスチックごみ全体に占める割合です。ある一本のボトルがリサイクルされる確率ではありませんが、回収とリサイクルのあいだの差がどれほど大きくなりうるかを示しています。

回収されても、リサイクルされたとは限らない · 2019年の世界のプラスチックごみ(百万トン、OECD推計) · プラスチックごみ全体 · リサイクル向けに回収 · 実際にリサイクル · 353百万トン · 5500万(15%) · 約3300万(9%) · 割合はプラスチックごみ全体に占めるもので、一本のボトルがリサイクルされる確率ではない
2019年の世界のプラスチックごみ(百万トン、OECD推計)

新しいプラスチックとして戻ってくるのはどれか

決め手は、その品物が何でできているかです。透明な飲料ボトル(PETという樹脂)とプラスチック製の牛乳容器(HDPEという樹脂)は素材が単純で、買い手がいます。カップ型の容器、トレー、フィルム、複数のプラスチックを貼り合わせた包装は、受け入れる地域もあれば、受け入れない地域もあります。リサイクルされるかどうかは、樹脂の種類、形、汚れ具合、回収された場所で決まります。

その差がはっきり見えるのがアメリカです。米国環境保護庁(EPA)はウェブページを更新しているものの、全体の推計としてはいまも2018年のものが最新です。対象は、EPAが「都市ごみ」と呼ぶ家庭や事業所から出るごみに含まれるプラスチックで、国内のあらゆるプラスチックごみではありません。2018年、そのごみに含まれるプラスチックは約3570万トンで、リサイクルされたのは約300万トン、8.7%でした。約560万トンはエネルギーを得るために焼却され、約2700万トンは埋め立てられました。PETのボトルや瓶のリサイクル率は29.1%、牛乳容器のような無着色のHDPEボトルは29.3%でした。プラスチック全体の3倍以上ですが、それでもボトルの大半はリサイクルされていないことになります。数字は差を示していますが、その原因までは数字だけではわかりません。

リサイクル率の高いボトルでも、大半はリサイクルされず · 米国の家庭・事業所ごみのプラスチックのリサイクル率(2018年、%) · プラスチック全体 · PETのボトルや瓶 · 牛乳容器(無着色のHDPE) · 8.7% · 29.1% · 29.3% · EPAの最新の全体推計で、対象は都市ごみのみ。数字は差を示すが、原因までは示さない。
米国の家庭・事業所ごみのプラスチックのリサイクル率(2018年、%)

矢印の三角マークの中の数字は樹脂の種類で、リサイクルされる印ではない

多くのプラスチック製品には、矢印でできた三角形の中に1から7までの小さな数字が入ったマークがついています。たいていの人はこれをリサイクルできる印だと受け取ります。実はこれは樹脂識別コードで、その品物がどの種類のプラスチックでできているかを示しているだけです。1はPET、2はHDPEです。3から7はそれ以外のプラスチックで、買い手がなかなかつかないのはこちらです。

このコードは、誰かがその品物を回収したりリサイクルしたりすることを約束するものではなく、規格自体もそう明記しています。矢印が人を混乱させたため、規格を定める団体ASTMインターナショナルは、2013年の規格D7611の改訂で、矢印をただの塗りつぶした三角形に置き換えました。この規定は新しく作る金型に適用され、古い金型は作り直さなくてもよいため、いまも多くの製品に昔の矢印が印刷されています。

買い手のいないプラスチックはどこへ行ったのか

長年、豊かな国々は選別したプラスチックの多くを海外に、主に中国に送ってきました。米ジョージア大学の研究者が学術誌サイエンス・アドバンシズに発表した研究によると、中国は1992年以降、約106百万トンのプラスチックごみを受け入れました。これは世界中で輸入されたプラスチックごみの半分近くにあたります。

2018年1月、中国は「国門利剣(ナショナル・ソード)」と呼ばれる政策のもとで、家庭由来のプラスチックごみの受け入れをやめました。2018年3月には異物混入に厳しい基準が設けられ、2019年にかけて禁止される廃棄物の種類が段階的に増えました。他国の資源ごみから出る混合プラスチックは、最大の行き先を失いました。同じ研究は、2030年までに約111百万トンのプラスチックごみが新しい行き先を必要とすると予測しています。その後も、資源ごみの出し方は変わりませんでした。変わったのは、集めたあとの行き先です。

世界平均が9%なのに、日本はなぜ89%なのか

もっと高い数字を出す国もあります。日本のプラスチックごみの主要な統計を公表している業界団体、プラスチック循環利用協会によると、2024年に日本のプラスチックごみの89%が有効利用されました。端数を丸めると、この89%の内訳は、新しい素材にしたもの(マテリアルリサイクル)が20%、化学的に分解したもの(ケミカルリサイクル)が3%、燃やして熱や電力を得たもの(サーマルリサイクル)が67%です。新しい素材になったのは20%ほどにすぎません。協会はまた、マテリアルリサイクルに数えられたプラスチックのおよそ60%が輸出されたと推計しています。この輸出の割合は現在、改訂した方法で算出され、幅をもたせて示されています。

韓国も似た数え方をしています。国会に提出された政府の資料を2026年9月に中央日報が報じたところでは、2024年に韓国のプラスチックごみの65%がリサイクルされたと数えられました。しかし新しい素材になったのは26%だけで、38%はエネルギーを得るために焼却され、1%が化学的に分解されました。政府は焼却をリサイクルに数えるのをやめるかどうかを検討しており、そうなれば欧米の数え方に近づきます。

アメリカはエネルギーを得るための焼却をリサイクルとは別に数え、EUの数字は焼却を含めていません。プラスチックを燃やしてエネルギーを得れば、その価値の一部は熱や電力として回収されます。けれども、燃やしたあとにプラスチックは残りません。ボトルを資源ごみに出すときに人々が思い浮かべているのは、そういうことではないはずです。

日本と韓国の数字の大半は、燃やした分 · 2024年のプラごみ(%) : 有効利用は日本89、リサイクルは韓国65 · 新しい素材に · 化学的に分解 · 燃やしてエネルギーに · 日本 · 韓国 · 20% · 3% · 67% · 26% · 1% · 38% · 日本 : プラスチック循環利用協会、端数は丸め。韓国 : 中央日報が報じた政府の資料。
2024年のプラごみ(%) : 有効利用は日本89、リサイクルは韓国65

ヨーロッパの42%は何を数えているのか

EUの統計局ユーロスタットによると、EUは2023年にプラスチック製包装ごみの42.1%をリサイクルしました。この数字は家庭だけでなく企業や行政から出たものも含みますが、対象は包装だけでプラスチック全体ではなく、焼却は数えられていません。EUは2020年から、選別施設を出た時点ではなく、素材がリサイクル工程に入った時点でリサイクル量を測っています。ユーロスタットは、この変更でリサイクルが3.4%減ったとしています。

どこで数えるかが数字を左右します。回収の時点で数えれば数字は高くなります。再生業者に入った量で数えれば低くなります。新しい素材になった量だけを数えれば、さらに低くなります。

後の段階で数えるほど、リサイクル率は下がる · リサイクル率を測る三つの時点 · 資源ごみ · 再生業者へ · 新しい素材に · 回収した量 : 最も高い · リサイクルに入った量 : より低い · 新しいプラスチックになった量 : さらに低い · EUは2020年から、素材がリサイクル工程に入った時点で数え、焼却は含めない。
リサイクル率を測る三つの時点

では、いま捨てたそのボトルはどうなるのか

国全体の平均では、ある一本のボトルがどうなるかはわかりません。それは地元の選別施設と、その時点でその素材を買う人がいるかどうかで決まります。数字がはっきり示しているのは、年が変わっても変わらない傾向です。新しいプラスチックとして戻ってくるのは買い手がつくもので、主に透明なボトルと牛乳容器であること。そして高いリサイクル率には、燃やされたプラスチックが含まれている場合があることです。

ルールはいままさに争われています。カリフォルニア州は、実際にはリサイクルされない包装にリサイクルマークをつけさせないための法律SB 343を成立させました。2026年7月14日、施行を前に連邦地裁の判事が仮差し止め命令を出し、裁判が続くあいだ州はこの法律を執行できなくなりました。これは法律についての最終判断ではありません。韓国は数え方を見直しています。プラスチックに関する国際条約を交渉している国々はまだ合意に至っておらず、次回の交渉は2027年3月に提案されています。

同僚に話せるひとこと : 資源ごみに出したプラスチックはまず選別に回され、新しいプラスチックになるのは買い手がつくものだけ。リサイクル率を聞いたら、何を数えた数字なのかを確かめてみてください。

リサイクルに出したプラスチックは、本当に新しいプラスチックになるのか資源ごみに出したプラスチックは、その後どうなるのか資源ごみの行き先は、リサイクルではなく選別 · 新しいプラスチックになるのは買い手がつくものだけ※ OECD : 主に先進国が加盟し、経済政策を研究する国際機関 · プラスチックごみ全体 · リサイクル向けに回収 · 実際にリサイクル · 353百万トン · 5500万(15%) · 約3300万(9%) · 回収されても、リサイクルされたとは限らない · 2019年の世界のプラスチックごみ(百万トン、OECD推計) · 割合はプラスチックごみ全体に占めるもので、一本のボトルがリサイクルされる確率ではない※ PET : 透明な飲料ボトルに使われる樹脂 · プラスチック全体 · PETのボトルや瓶 · 牛乳容器(無着色のHDPE) · 8.7% · 29.1% · 29.3% · リサイクル率の高いボトルでも、大半はリサイクルされず · 米国の家庭・事業所ごみのプラスチックのリサイクル率(2018年、%) · EPAの最新の全体推計で、対象は都市ごみのみ。数字は差を示すが、原因までは示さない。三角の矢印マークの数字は樹脂の種類。リサイクルの印ではない · このコードは、回収やリサイクルを約束しない※ プラスチック循環利用協会 : 日本の業界団体 · 新しい素材に · 化学的に分解 · 燃やしてエネルギーに · 日本 · 韓国 · 20% · 3% · 67% · 26% · 1% · 38% · 日本と韓国の数字の大半は、燃やした分 · 2024年のプラごみ(%) : 有効利用は日本89、リサイクルは韓国65 · 日本 : プラスチック循環利用協会、端数は丸め。韓国 : 中央日報が報じた政府の資料。リサイクル率を聞いたら、何を数えたかを確かめる · 高いリサイクル率には、燃やされたプラスチックが含まれている場合がある出典 19 : voanews.com · VOA : 9 percent of plastic worldwide is recycled, OECD says, oecd.org · OECD Global Plastics Outlook (2022), policy highlights, oecd.org · OECD Global Plastics Outlook (2022), full report + 16全文はこちら · polora.ai

What actually happens to the plastic you put in the recycling bin?

Alpha · claude-sonnet-5

I'll weigh in as Alpha with two verification points I just confirmed, then address the piece's framing. The OECD 55 Mt / 22 Mt figures check out — with one correction. I pulled the actual OECD policy-highlights PDF. It confirms: "Only 55 Mt or 15% of this waste was collected for recycling, but 22 Mt ended up as a recycling residue" and "Globally, only 33 million tonnes (Mt), or 9% of the 353 Mt of plastic waste, were recycled in 2019." So the manuscript's chain of numbers (353 Mt total, 55 Mt collected, 22 Mt residue, 9% final) is accurate and now has a primary-source anchor: https://rds.org.co/apc-aa-files/205ec78c9cca6d1850bdca24e20e50bf/document.pdf (a mirror of the OECD policy highlights PDF, since oecd.org itself 403s for me too). Good catch by the researcher flagging this as unconfirmed — it's now confirmed. The China ban date needs a small fix. Sources diverge on a detail the manuscript states too simply. Most trackers agree the headline import ban on 24 waste categories "officially began on January 1, 2018", which supports the manuscript's "January 2018" framing. But the Wikipedia timeline and others note a second wave: "Strict contamination limits of 0.5 percent…

Beta · gpt-6-sol

The manuscript’s central point stands, but “becomes new plastic” is more definite than several of its measures allow. A recycling rate may measure material entering a recycling process, not the amount of finished plastic that emerges. And figures for *all plastic waste* cannot tell a reader the odds for a bottle placed in a particular curbside bin. | Manuscript claim | What the sources establish—and what needs changing | |---|---| | Worldwide, 9% was recycled in 2019; collection is not recycling. | Confirmed directly by the OECD: of 353 million metric tonnes of plastic waste, 55 million were collected for recycling and 22 million became residue requiring disposal. The OECD reports 9% recycled, 19% incinerated, almost 50% landfilled, with the remainder mismanaged. Use the OECD itself rather than VOA or a mirror: https://www.oecd.org/en/publications/global-plastics-outlook_de747aef-en/full-report/component-6.html (oecd.org) | | U.S. overall and bottle rates differ sharply. | Confirmed, with an important denominator: EPA’s 2018 munic…

Gamma · gemini-3.1-pro

Alpha and Beta have laid a solid foundation by confirming the OECD, EPA, PWMI, and Eurostat figures. I will step in to close the remaining verification gaps Beta left open and provide the final checks the editor needs before publication. Here is what the record shows on the remaining claims: 1. The China Import Ban (Brooks et al., 2018) The manuscript’s numbers are exactly correct. The study in *Science Advances* by Brooks, Wang, and Jambeck explicitly states that since reporting began in 1992, China had accepted a cumulative total of approximately 106 million metric tons of plastic waste (nearly half of global imports). It also explicitly calculates that 111 million metric tons of plastic waste will be displaced globally by 2030 due to the ban. *Source:* Brooks, A.L., Wang, S., & Jambeck, J.R. (2018). "The Chinese import ban and its impact on global plastic waste trade." *Science Advances*, 4(6). 2. The ASTM Triangle Redesign (Correction Needed) The manuscript claims that ASTM replaced the chasing arrows with a solid triangle in its "2010 standard, D7611." This is a slight historical error. While ASTM International took over the administration of the Resin Ide…

Researcher · gemini-3-7-flash

Factual Verification & Source Grounding Every verifiable claim in the editor's manuscript and the verification brief has been checked against live primary records: --- 1. OECD Global Figures (2019 Waste Fate) * Manuscript Claim: Of 353 Mt of plastic waste in 2019, 55 Mt was collected for recycling, 22 Mt became residue/losses, leaving ~9% (33 Mt) recycled; ~19% was incinerated, nearly 50% landfilled, and 22% mismanaged/uncollected. * Finding: Verified. The primary source confirms these exact figures: 353 Mt generated, 55 Mt (15%) collected, 22 Mt discarded as recycling residue, yielding 33 Mt (9%) recycled. * Source: OECD Global Plastics Outlook: Economic Drivers, Environmental Impacts and Policy Options (2022) --- 2. US EPA Estimates & Material Disparities * Manuscript Claim: Latest full EPA dataset remains 2018; 35.7M tons generated, 8.7% recycled, 5.6M tons combusted with energy recovery, ~27M tons landfilled; PET bottles/jars recycled at 29.1%, natural HDPE bottles at 29.3%. * Finding: Verified. The EPA’s Municipal Solid Waste (MS…

The Arbiter · gpt-6-sol

Round record for the publication check The manuscript’s premise stands, but its central distinction needs to stay precise: putting plastic in a recycling bin starts a collection and sorting process; it does not guarantee that the item becomes a new plastic product. Beta’s strongest caution is that *collected*, *sent into recycling*, and *emerging as new material* are different measurements. The global rate also describes all plastic waste, not the fate of a particular curbside bottle. (oecd.org) - Global figures — confirmed. Alpha, Beta and the Researcher converged on the OECD’s primary report: in 2019, the world generated 353 million tonnes of plastic waste; 55 million were collected for recycling, 22 million were disposed of as recycling residue, and the OECD reports 9% ultimately recycled. It reports 19% incinerated, almost 50% landfilled, and 22% mismanaged. The manuscript should cite the OECD directly rather than rely on VOA or Alpha’s mirror. OECD report: https://www.oecd.org/en/publicatio…

The Arbiter's Final Verdict · gpt-6-sol

The bin sends plastic to be sorted; it does not guarantee recycling. After collection, a sorting facility separates materials and prepares them for processors. Plastic that a processor can use may be cleaned, shredded and made into new material. Other plastic can be rejected during sorting or processing and ultimately landfilled, burned or otherwise disposed of. An export is a change of destination, not proof that recycling happened. The scale of that gap is well documented, though the figures measure different things: - Worldwide: Of 353 million tonnes of plastic waste generated in 2019, 55 million were collected for recycling. After 22 million tonnes of processing residue were discarded, the OECD estimated that 9% was ultimately recycled. That is a share of *all plastic waste worldwide*, not the odds for a bottle placed in your bin. - United States: The EPA’s latest full plastics estimate is for 2018. It puts recycling of plastics in municipal solid wa…